イベント速報

10月10日開催『XMLマスターDAY』のイベント速報です。

XMLマスターDAY
主催 XML技術者育成推進委員会
協賛 atmarkitアットマーク・アイティ 

2002年10月10日、渋谷マークシティ17階のルネッサンスセンターにて、「XMLマスターDAY」が開催されました。同イベントは、2001年10月より開始されたXML技術者認定制度「XMLマスター」の取得者が2,000名を突破したこと、さらに、上位認定制度である「XMLマスター:プロフェッショナル」が11月から開始することを記念して開催されたものです。XMLやWebサービスの分野で活躍される方々にスピーカー、パネラーとしてお越しいただき、熱のこもった講演・ディスカッションが行われました。会場には250名を超える多数のXMLマスター取得者・関係者の皆様が来場され、大盛況のうちに終了しました。


◇ ご挨拶 ◇

XML技術者育成推進委員会 会長 斎藤 信男

斉藤信男

推進委員会の斎藤信男会長(慶応義塾大学常任理事:W3Cチェアパーソン)のご挨拶で「XMLマスターDAY」はスタートしました。斎藤会長からは、XMLの動向や、W3Cでのアクティビティをご紹介され、「委員会およびW3Cでの活動成果を、XMLマスターのみなさんの今後の仕事にも役立てていただきたい」と述べられました。


◇ XMLマスター:プロフェッショナル解説 ◇

XML技術者育成推進委員会 事務局長 吉政 忠志

吉政忠志

続いて、同委員会事務局長の吉政忠志氏(インフォテリア)からは、XML技術者が必要な分野、市場動向などが紹介されました。IT技術者のための情報サイト「アットマークアイティ」が行った「第3回Engineer Life読者調査」から、今後取得したいIT資格として「XMLマスター」が他の認定制度を抜いてトップになったという調査結果の紹介が行われ、来場者の注目を集めていました。さらに、きたる11月からスタートする「XMLマスター:プロフェッショナル」のご紹介が行われ、官公庁プロジェクトやBtoBでの利用など、XMLの高度な技術の必要性がさらに高まっていること、そのニーズに応えるためには今後のさらなるスキルアップが必要であることを解説しました。


◇ 特別記念講演 ◇

「期待されるXML技術者とは? ~WebサービスとB2Bシステムの現状と課題~」
野村総合研究所 執行役員 情報技術本部長 嶋本 正 氏

嶋本正

野村総合研究所 執行役員 情報技術本部長の嶋本正氏からは、「XML技術者への期待~Webサービスの活用を例として~」をテーマに、特別記念講演をいただきました。現在のIT利用者がシステムインテグレータに求めているのは、1)経営や業務へのIT適合度、2)スピードや変化への対応、3)コスト効率性、4)信頼性・安定性の4つに集約されるとし、こうしたニーズに応えるには技術をシステムに活かせる人材、特に企業間システムの利用に価値を発揮するXML技術についてスペシャリティを持った人材が必要であることを強調されました。Webサービス構築に必要なスキルとしては、「業務がわかる」「各社との調整ができる」「XMLがわかる」といった基本的なものから、「企業連携の設計ができる」「Webサービス関連技術を駆使してシステムを作れる」といった高度なものまで挙げられ、「XMLマスター:プロフェッショナル」への期待が高いことに言及されました。


◇ パネルディスカッション ◇

「Webサービスと求められるエンジニア」

パネルディスカッション風景

◆モデレーター
株式会社アットマーク・アイティ取締役編集局長 新野 淳一 氏

◆パネラー
XMLコンソーシアムWebサービス推進委員会委員長 岡部 惠造 氏
株式会社ピーデー代表取締役 (日本XMLユーザーグループ代表) 川俣 晶 氏
富士通株式会社ソフトウェア事業本部
プロジェクトA-XMLプロジェクト長 弘末 清悟 氏
XML技術者育成推進委員会顧問 村田 真 氏

新野 淳一 氏
岡部 惠造 氏
川俣 晶 氏
 
弘末 清悟 氏
村田 真 氏
 

「XMLマスターDAY」の最大の山場、パネルディスカッションは、株式会社アットマークアイティ 取締役編集局長の新野淳一氏をモデレータとし、XMLコンソーシアムWebサービス推進委員会委員長の岡部惠造氏(株式会社イーブリッジ取締役)、XMLユーザーグループ代表の川俣晶氏、(株式会社ピーデー代表取締役)、富士通株式会社ソフトウェア事業本部プロジェクトA-XMLプロジェクト長の弘末清悟氏、XML技術者育成推進委員会顧問の村田真氏(日本IBM特別研究員)をパネラーに迎えて、「XMLはいまどのように必要とされているのか」、「XMLを習得するにはどうやって勉強すればいいか。どのジャンルを学べきか。」「社内外でXMLの重要性を理解してもらうにかどうしたらいいか」「Webサービスをどう捉えのか」などといったテーマで白熱した議論が行われました。

1時間を超えるパネルディスカッションでは、以下のような発言が他のパネラーからも同意を得ていました。

  • XML技術は今後どんどん重要となる。XMLマスターのなった2000名はその尖兵となって頑張って欲しい。
  • 「XMLは本当に普及しているのか?」との声があるが、XMLは思った以上に普及しており、表に見えないものを含め既に使用されているケースは多い。
  • XMLが理解できる技術者が増えてくれば、XMLの普及は加速度的に進むだろう。
  • XMLは、TCP/IPのようにずっと生き残る技術であることは確か。基本をもっている人はいつも強く、応用がきく。自信をもってXMLにチャレンジして欲しい。
  • XMLの普及には、標準化も重要。XMLマスターの皆さんは待っているのでは無く、XMLコンソーシアムや、ユーザーグループなどの場を利用して標準化に参加してほしい。
  • XMLを学ぶには、知識だけでなく、まず使って経験を積むこと。算数の九九を覚えたように、まずは基礎をマスターしよう。実際に使うことで、スキルは習得できていく。
  • 他企業との取引にはXMLは必須。社内外の関係者にXMLの必要性を理解してもらうには、予防的コストダウン(XMLはメンテナンス性に優れており、誰が見てもわかるデータ構造になっている。今取り組んでおくことで将来的にコストダウンにつながる)という観点が極めて重要。

    XMLのさまざまな分野で活躍されるパネラーのみなさんからは、まだまだ語り足りない、来場者のみなさんからは聞き足りないといった様子が伺える意義深いディスカッションでした。


◇ 表彰 ◇

最後に、XML技術者普及に貢献した企業として、(株)日立システムアンドサービスと富士通グループの2社がXML技術者育成推進委員会より表彰されたほか、XMLマスター取得者の中から、記念すべき第1号として、NRIラーニングネットワークの内藤一彦氏、第2000号として、(株)NTTデータシステムサービスの志田和則氏が表彰を受けました。

Contribution Award
(株)日立システムアンドサービス
専務取締役 和田 弘正 氏
Contribution Award
富士通グループ
富士通株式会社ソフトウェア事業本部
プロジェクトA-XMLプロジェクト長
弘末 清悟 氏
第1号
NRIラーニングネットワーク
内藤 一彦 氏
第2000号
(株)NTTデータシステムサービス
志田 和則 氏

XMLマスター取得者・関係者の皆様を集めた初のセミナー、「XMLマスターDAY」は、このように大盛況のうちに終了しました。ITの現場でのXML技術者へのニーズの高さを改めて理解いただき、今後の継続的かつ高度な技術習得が必要であることを実感いただけたのではないでしょうか。


◇ XMLマスターDAYアンケートより(抜粋) ◇

  • XMLマスター:プロフェッショナルを待っていましたので、とても嬉しいです。ぜひ3段階の検討を!!
  • パネルディスカッションが特に良かったです。今後の動向や、XMLの利用法などとても参考になりました。
  • パネルディスカッションは大変面白かった。XMLの基本をしっかり身に付けたいと思います。
    特別記念講演は、発注サイドと受注企業の求める技術/人材についての話がSEとして参考になりました。
  • 非常に有用なセミナーでした。これからも定期的に行ってください。
  • 今日は次の資格を受験するに当たって勉強、参考になりました。
  • XMLをまず使うことが大切であると判りました。資格のための勉強ではなく、生かす方法を聞かせていただいてとても楽しかったです。

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