XMLマスター取得推進企業インタビュー

社内SEの技術力強化を図るNECソフト
~ 最重点技術は「Java」「.NET」「UML」「XML」「Linux」「EA」「PM」 ~

福嶋 義弘 氏
大野 ゆかり 氏
NECソフト株式会社
ITトレーニングセンター
センター長

福嶋 義弘 氏
NECソフト株式会社
ITトレーニングセンター
教育マネージャー

大野 ゆかり 氏
2005年4月、NECソフトがSE技術力強化を目的に「ITトレーニングセンター」を設立。新センター長に就任された福嶋 義弘氏及びセンター内でIT技術教育部隊を統括するマネージャ大野ゆかり氏に社内SE技術力強化施策について伺いました。
 

何故今「技術力強化」を図るのでしょうか。

福嶋:
弊社では、国内パートナー、中国やインドなどでの受託開発を進めてきているため、若年層がプログラミングする機会が少なくなっています。最近、入社2-3年目の社員がきちんとコードレビューも行えないままプロジェクトマネジメントを行なうケースが出始めてきました。このことは赤字プロジェクトを誘発する事態にもなりかねなくなっています。どんなにコミュニケーションスキルや管理能力があってもプログラミングやシステム構築経験のないSEにプロマネはできません。そこでそういった経験を身に付けさせる実践的な社内技術教育が必要になってきました。

また、オープン化に伴い製品教育ばかり受講していた世代はインターフェースについては理解できてもしくみや概念などがよくわかっていないケースが目立ってきています。システムの基礎概念を理解していないと応用力がなくなり、製品仕様が変わるごとに再教育をし直さなければならなくなります。今、体系的な基礎技術スキル教育の必要性がでてきています。

どのような技術に重点をおいて社内「技術力強化」をされるのでしょうか。

福嶋:
基本的に現場のニーズに基づいて重点を置く技術を決定しています。今は、「Java」「.NET」「UML」「XML」「Linux」「EA」「PM」を最重点技術としています。できるだけ「製品」知識ではなく将来性のある「技術」スキルの強化を図りたいと考えています。

また、特定の技術だけ使えてもあまり価値がありませんのでひとりひとりが「マルチスキル取得」することを推進しています。技術力強化のひとつの指標として「情報処理試験」「XMLマスター」「LPIC」などの資格取得も推進しています。

社内教育は集合研修が中心なのでしょうか。

大野:
単なる基礎知識を勉強してもらう場合にはeラーニングで自習いただくこともありますが、自己学習をするとどうしても自分がある程度とっかかりのある部分中心の勉強になりがちです。集合教育に参加してもらうことにより必要技術をもれなく身につけてもらえますし、また今まで業務でやってきたやり方とは違う方法や効率的な手法なども学べると思っています。

実践的な内容の集合研修をどのように実現されているのでしょうか。

福嶋:
プレゼンのうまい講師がテキスト内容を説明するだけの教育ではいけないと考えています。「実践力をつける」教育にするためまずは現場の情報を最大限活用すべきです。弊社では各技術を推進する部隊から事例を仕入れたり、また場合によっては現場のSEに直接教壇に立ってもらったりしています。「ITトレーニングセンター」の講師にもできるだけ社内システムの開発に関わってもらうようにして、経験に基づく話も織り交ぜながら講義するようにしています。

また今年の新人教育は中国、インドにあるNECソフト関連会社で実施することも予定しています。英語での研修となるため苦労も多いと思いますが、新入社員にグローバルな意識を持って欲しい、また日本語の通じない国でサバイバル体験を行なってもらうことで精神的にも強くなって欲しいという思いもあり送り出すことを決定しました。

海外での新人教育とはスケールが大きいですね。費用がかさむのでは?

福嶋:
実は現地の物価の関係でそれほどコストも高くないんです。そのうえ中国では実際のプロジェクトの中でプログラム開発するといったことまで体験できるので会社にとってはけっして無駄な投資ではないと確信しています。

最後に「ITトレーニングセンター」の今後の施策をお聞かせください。

福嶋:
「ITトレーニングセンター」は『高度な技術力を基盤に活躍できる、市場価値のあるIT人材を社内外に育成していくこと』をビジョンとして掲げています。個々のSEの市場価値を高めるため関連部門と連携したより現場に近い実践教育やSIフレームワーク推進教育などを新たに企画していきます。また「マルチスキル」エンジニア育成のために一人当たりの受講日数の増大、複数資格取得の推進なども行う予定です。

ありがとうございました。

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