XMLマスター取得推進企業インタビュー
Web系テクノロジーからメインフレームまでのエクスパートを育成、
パナソニック電工インフォメーションシステムズ
パナソニック電工インフォメーション システムズ株式会社 常務取締役 砺田 勉 氏 |
パナソニック電工インフォメーション システムズ株式会社 ミドルウェアソリューション事業部 事業部長 中川 俊雄 氏 |
パナソニック電工インフォメーションシステムズ様は受発注システムや調達系ソリューションなどに強いという印象がありますが。
砺田:
弊社はパナソニック電工より9年前に分離、独立し、SI事業を展開している企業です。パナソニック電工の生産システム、受発注システムなどを長年に渡り構築、運用してきたノウハウを引き継いでいますので、製造業向けソリューションは得意とするところです。受発注システムはもとより、生産管理、物流、人事、企業会計などパナソニック電工のシステム構築で培った技術を生かしてトータルソリューションを提供しています。
これらのシステムはXMLをベースに構築されているのでしょうか。
中川:
はい、ebXMLで発注電文のやりとりを行うシステムや、SOAP連携により複数の取引先との受発注を実現するシステムなど、XMLをベースとしたシステムも数多く手がけています。弊社では「e調達ソリューション 4Scale」というXMLベースのパッケージ製品も販売しています。
砺田:
一方でXMLのような最新技術をあえて使わないケースもあります。我が社はパナソニック電工の受発注処理を行う全社集中型オンラインシステムを昭和44年頃にはすで構築しており、長年に渡りメインフレームのノウハウを蓄積してきています。特定の技術に偏らず、お客様にあったソリューションがご提供できるよう、XMLなどのWeb系最新技術もきちんとキャッチアップしますが、一方でメインフレームなどのレガシーなノウハウも継承するよう心がけています。なんでも最先端ならば良いというわけではないので、最新技術、レガシーな技術いずれのケースにも対応してお客様に最適なソリューションを提供できるようなハイブリッドなSE集団を目指しています。
社内ではXMLマスター:ベーシックの取得を推進されているとのことですが。
中川:
開発センターに配属された社員の場合にはXMLマスター:プロフェッショナルに出題されるようなDOMやSAXを使ったプログラミング業務まで行いますが、社員の約7割を占めるシステムエンジニアはそこまでの業務を行いません。たいていは、XMLをベースとしたパッケージをうまく組み合わせてソリューションとして提供するような形でXMLに関わっています。
砺田:
XMLテクノロジーを使った開発スキルまで学ばせたいというよりは、Javaもそうですが、ITのキーテクノロジーのひとつとしてXMLを理解しておいてもらいたいと思い、新人教育のカリキュラムにXMLマスター:ベーシック認定コースを取り入れ、全員に習得してもらっています。
新人教育はどのようなカリキュラムで実施されていらっしゃいますか?
砺田:
最初の1週間は全新入社員に対して社会人としての一般的なことを教えています。その後、技術系社員はさらに3ヶ月半に渡り、コンピュータの基礎、Java、Oracle、XMLなどの基礎を学びます。Javaはプログラミングの基礎を学ばせるために、Oracleはデータベースの基礎を学ばせるために導入しています。新人教育期間中に全員がOracle Master SilverとXMLマスター:ベーシックを取得できるよう会社負担で受験の機会も与えています。
新入社員以外にもXMLマスターの取得を推進されていらっしゃいますか?
砺田:
部署によって必要なスキルがまちまちですので、取得を義務づけてるわけではありませんが推奨はしています。
社内に「マイレージ制度」という褒章制度があり、業績の良かった社員やOracle MasterやXMLマスターなどの資格を取得した社員にはポイントが加算されます。一定のポイントがたまると、自己啓発に必要な教材や書籍などの購入などを行うことができるようにしています。この制度を利用してさらなる自己啓発に励んでもらえればと思っています。
今後どのようなSEを社内で育成されていきたいとお考えでしょうか?
砺田:
ひとりひとりがオールラウンドである必要はないと考えています。「xxの技術ならだれにも負けない」「xxのシステムなら自分が一番良く知っている」といえるような強みを持つエンジニアになって欲しいと思っています。そのためには最初からあきらめずにいろいろなことにチャレンジをしてもらいたいです。会社としても教育の機会を十分に与えられるよう今後もSEの教育にはお金をかけて支援していこうと考えています。
ありがとうございました。