ODF実装間の互換性とOOXML実装間の互換性
複数のODF実装間で互換性を計測し、複数のOOXML実装間でも互換性を計測したというレポートが出た。OASIS ODF TC議長のRob Weirの名前がacknowledgementにあるところを見ると、ODFについての評価はそれなりに真っ当なのだろう。
まったく別のOOXML実装の間でも互換性は意外に高いことが分かる。
複数のODF実装の間の互換性
Implementation | Raw Score | Raw Score Percentage | Weighted Percent |
OpenOffice | 151 | 100% | 100% |
StarOffice | 149 | 99% | 97% |
Sun Plug-in for Word | 142 | 94% | 96 |
Clever Age/MS Plug-in for Word | 139 | 92% | 94% |
Wordperfect | 122 | 81% | 86% |
Koffice | 121 | 80% | 79% |
Google Docs | 117 | 77% | 76% |
TextEdit | 55 | 36% | 47% |
Abiword | 48 | 32% | 55% |
複数のOOXML実装の間の互換性
Implementation | Raw Score | Raw Score Percentage | Weighted Percent |
Office 2007 | 148 | 100% | 100% |
Office 2003 | 148 | 100% | 100% |
Office 2008 (Mac) | 147 | 99% | 99% |
OpenOffice | 141 | 95% | 96% |
Pages | 142 | 96% | 95% |
Wordperfect | 114 | 77% | 84% |
ThinkFree Office | 101 | 68% | 83% |
TextEdit | 52 | 35% | 43% |
投稿者: 村田 真 日時: 2008.08.06
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OOXMLのアピールは終了
ISOとIECから発表があり、OOXMLについての四カ国のアピールに
は却下された。正確に言うと、ISOのTMBとIECのSMBの投票の
結果、アピールの処理をさらに進めるという合意は得られなかった。
この結果を受けて、9月末のSC34韓国会議でWG4(OOXML対応)の
新設が議決され、私がその暫定議長になることが決まるものと
予想される(以前の記事を参照)。
今後は、OOXMLに山ほどdefect reportを出し、それを直していく
という作業になる。40ページ程度のXMLで200を越える誤りが見つ
かっていることを考えると、7000ページのOOXMLには千以上の
誤りはあって当然だろう。日本からも、BRMの積み残しが10程度
あるので、できるだけ早期に提出したいところである。
投稿者: 村田 真 日時: 2008.08.17
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OASISのODFとISO(及びJIS)のODFとの乖離
OASISのODFとISO/IECのODFはすでに別物だし、今後もさらに乖離していく可能性がある。JIS規格として用意しているODFは、ISO/IECのODFに基くので、OASISのODFとは別物である。
ODF 1.1 (OASIS) .vs. ODF 1.0 (ISO/IEC JTC1 SC34)
OASISはODF 1.0を制定し、ISO/IEC JTC1に提出した。そのあとで、ODF 1.1をOASIS standardとして制定した。ODF 1.1はISO/IEC JTC1には提出されていない。具体的には、アクセシビリティの機能は、OASISのODF 1.1にのみ存在し、ISO/IEC 26300には存在しない。細かいことをいうと、OASISのODF 1.0 standardとISO/IEC 26300が完全に同一なわけではない。日本コメントで要求したIRI(non-ASCII文字を含んだURI)は、ISO/IEC 26300には含まれるが、OASIS ODF 1.0には含まれていない。
OASISのみに適用される正誤表
日本がJIS ODF原案作成中に報告した誤りの一部(昨年末までに年報告したもののさらに一部)は、OASIS ODF 1.0の正誤表によって対処される。しかし、ISO/IEC 26300がいつどのように修正されるかはまったく分からない。修正しないという話すらOASIS側から出ている。
OASIS側は、ISO/IECのODFをOASISのODFと一致させることに否定的である。そもそも、OASIS standardとしてのODFにある誤りを修正することすら、きわめて反応が遅い。詳しくは、Jasperのブログと、OASISのコメントメーリングリストアーカイブを参照
投稿者: 村田 真 日時: 2008.08.26
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