SC34済州島会議
9/28から10/1にかけて韓国済州島で開かれた会議により、いくつかの重要な決定がなされた。以下の決定はいずれもすべての参加国が賛成している。その中には、アピールに参加したインド、南アフリカ、ブラジルも含まれている。他の参加国は、カナダ、中国、コートジボワール、デンマーク、フィンランド、ドイツ、イタリア、日本、韓国、ノルウェー、イギリス、アメリカである。
- OOXMLのメンテナンスのためにWG4を設立(Resolution 2)し、私がコンビーナとして就任する(Resolution 3)。最初の会議は、来年の2/2から2/4に開かれる。私は、沖縄で開催したいと考えている。
- WG1コンビーナは、私からAlex Brownに交代する(Resolution 4)
- OOXMLの欠陥報告を各国及びリエゾンから集めるためのWeb Formをもうすぐ運用し始める(Resolution 5)
- ISO/IEC 26300(ODF)のメンテナンスが滞っていることについてOASIS ODF TCにリエゾン文書を送る(Resolution 6)。また、メンテナンスに関する合意に問題があってSC34が責任を果たせないため、 JTC1に対応を要請する(Resolution 7)
- オフィス文書の相互運用性を扱うWG5を設立(Resolution 8)し、韓国のLee教授がそのコンビーナとして就任する(Resolution 9)。
- ODFとOOXMLの相互変換についてのtechnical reportを作るプロジェクトを、これらのISO/IEC規格だけを対象とする(すなわちODF 1.1は除く)と限定した上で、WG5に割り当てる(Resolution 10)。この相互変換TRのproject editorとして、とりあえず中国のMr. Ning LI と韓国HaansoftのNAM, Dong Sunを任命し、ドイツから推薦される候補者をあとで追加する(Resolution 11)。
OOXMLの最終テキストに基づくメンテナンスはすでに始まっている。まず、日本が口火を切って欠陥報告を提出し、イギリスが追随した。今後、各国から山のように欠陥報告が提出されるだろう。それを審議するのが、WG4の当面の仕事となる。インド及び南アフリカの代表とはいろいろ話したが、彼らは盛んに欠陥報告を提出し、WG4の審議に積極的に参加してくるだろう。
Resolution 6とResolution 7のレターはイギリスが中心となって起草したが、Resolution 7のほうのレター作成にはインド、デンマーク、アメリカも立ち会っている。もともと日本の欠陥報告が、ISO/IEC 26300の改正に繋がらない(したがってJIS ODFで困る)ことがきっかけとなっている。
詳細は、SC34の決議を参照されたい。いつもながら、Alex Brownのblogが有益な情報を提供している。
投稿者: 村田 真 日時: 2008.10.04 | パーマリンク | コメント (0) | トラックバック (0)