XAdESとODF/OOXML/EPUBとRELAX NG
XAdES(XML長期署名)は、W3CのXML電子署名を拡張したものである。
これをODF, OOXML, EPUBで使おうというニーズは存在する。
OASISのODF 1.2にはすでにXAdESは含まれている。OOXMLのMicrosoft
実装(つまりMS Office)でもXAdESは実装されているし、Microsoft
の資料MS-OFFCRYPTOで仕様は公開されている。
しかし、実際には問題がいろいろある。
- ODFはスキーマ言語としてRELAX NGを採用しているためXAdES
のスキーマ(W3C XML Schemaで書かれている)を利用できない。
- OOXMLのXAdES利用については、ISO/IEC 29500(OOXML)に含まれていない。
- EPUBではXAdES利用についての標準化は存在しない。
さらに、XAdESの後に、ASiC(Associated Signature Containers)という
仕様が開発されていることを知った。これは、ODF, OOXML, EPUBのように
ZIPを利用した文書フォーマットに適用するための長期署名らしい。
- ODF 1.2については、ISO/IEC JTC1にPAS提案されたので、これから投票に
かかる。
- OOXMLについては、ISO/IEC JTC1/SC34/WG4(コンビーナは私)でXAdES導入を
検討している。
- EPUBについては、検討はまだなされていない。しかし、以前にこの点に
ついて話題にしたところ、関心をもつ人たちは複数存在した。
とりあえず、XAdESのW3C XML SchemaスキーマをRELAX NGで書き直して
みた。XAdESにはいくつものプロファイルがあるのだが、それごとに
別々のスキーマをモジュール化して作成してある。ドライバはdriver-*.rnc
で、そこからモジュールを参照している。
投稿者: 村田 真 日時: 2014.04.23 | パーマリンク | コメント (0) | トラックバック (0)