村田真のXMLブログ
日本人で唯一W3CのXMLワーキンググループに参加しXMLの標準化プロセスに携わったXMLの生みの親、村田真さんのブログです。
OOXMLへの反対投票が多いからといって駄目とは限らない
OOXMLは、(新参のP-memberによる多くの賛成票にもかかわらず)、判明した
投票結果では充分な賛成を得ていない。
しかし、一般に思われているほど、これはOOXMLにとって悪い状況ではない。
各国は、テクニカルなコメントが一つでもあればいったん反対し、Ballot Resolution
Meetingの審議結果を待って、最終的な投票を決めるというのが当然の手続き
なのである。一般に、真面目に読んでコメントする国は反対票を投じるものだ。
逆に、賛成が圧倒的に多いということは、真面目に読んだ国が少ない(つまり、
その規格案はどうでもいいと考えられている)と、私は受け取る。SC34にも、
そういう投票案件はいくつもある。
では、ODFのとき、なぜ反対票がなかったのか?欠陥のない仕様というわけ
ではまったくないのに?オープンなオフィス文書規格という理念に各国は賛成
したのであって、仕様書の詳細には各国とも目を瞑ったのだと思う。
投稿者: 村田 真 / 日時: 2007.09.29
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.xmlmaster.org/mta/mt-tb.cgi/39
コメント (投稿数:1)
OOXMLがアドビ社のPDFのように版権を放棄しAIIMなどの団体に渡してしまえば世界中に受け入れられる可能性も有り得るのではないでしょうか?
投稿者: voit | 2007年10月10日 19:52
関連情報
<< 前回の記事:「Ballot Resolution Meetingまでの日程」
>> 次の記事:「Atomのさまざまの拡張と検証」
★ voit: