村田真のXMLブログ

日本人で唯一W3CのXMLワーキンググループに参加しXMLの標準化プロセスに携わったXMLの生みの親、村田真さんのブログです。

もう一つの記事の誤り

「Open XMLへの個人攻撃は中止を」--ISOが抗議活動終結を呼びかけ
も多くの誤りがある。

まず、ノルウェーにおける抗議活動と、「個人攻撃」をやめるようにとの公開書簡との間に
はなんの関係もない。公開書簡がなにを対象としているかは、前回の記事に書いた。
これについては原文も間違っているので日本側の責任ではない。

しかし、OOXMLのISO標準化の見直しが「理論的には、万が一、ISOが投票後
1~2カ月以内に反対を表明すれば起こり得ることではある。」は翻訳上の誤り
と原文の誤りの両方がある。まず、「理論的には、万が一、投票した国が投票
後1~2カ月以内に自国の投票について反対を表明すれば起こり得ることでは
ある。」と直せば、翻訳としては正しい。しかし、原文も間違っている。万が一に
もありえない。自国の投票を撤回することを許せば、投票制度自体が機能しな
くなってしまう。それに一票差ではないので、ノルウェーの投票をカウントしなく
ても結果は同じである。

私はノルウェーの抗議活動は、各国に対する侮辱であると考えている。各国に
対し、お前には判断能力がないと言っているに等しいからである。他国のことは
知らず、日本に関する限り、意思決定プロセスになんの問題もない。日本は、
内容をきちんと把握したうえで、賛成投票することを技術委員会における投票で
決定した。技術委員会に直前になって加わったメンバーなど皆無に等しい。

投稿者: 村田 真 / 日時: 2008.04.17

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.xmlmaster.org/mta/mt-tb.cgi/65

● コメントを投稿

この情報を登録しますか?

※今までにコメントしたことがない場合、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。その場合、承認されるまで暫くお待ちください。その間、コメントは表示されません。

関連情報

<< 前回の記事:「個人攻撃についてのSC34の公開書簡」

>> 次の記事:「OOXMLのRELAX NGスキーマ」

メインページへ戻る