村田真のXMLブログ
日本人で唯一W3CのXMLワーキンググループに参加しXMLの標準化プロセスに携わったXMLの生みの親、村田真さんのブログです。
マイクロソフトのDocument Interop Initiative(DII)イベント in シアトル
シアトルで2009-9-19に、マイクロソフトのDocument Interop Initiative(DII)イベントが
開催された。SC34のメンバ10人程度が参加し、私も参加した。
この場で、別の記事に書いたMicrosoft Office 2010におけるOOXMLの拡張が始めて公開された。
前回の記事では仕様書のみにリンクしたが、DIIイベントでの説明資料のほう
が分かりやすいかもしれない。
DIIイベントでは、マイクロソフトの独自拡張の説明、それらをSC34で標準化するかどうか
についての議論のほかに、いくつかの興味深い議論があった。
独自拡張のスキーマとISO/IEC 29500のスキーマをどう繋げるか
私はNVDLが良いと思うが、NVDLを知らない人には抵抗があるようだ。なお、
独自拡張のスキーマを見てみると、これがまたISO/IEC 29500のスキーマを呼び出
している。したがって、NVDLを利用するとスキーマの読み込みに関する限りは、
確かに二度手間になるという問題はたしかにある。私は、大したことではないと
思うが、実際にNVDLによる検証を試してみないと本当のところは分からない。
MCEの実装をどのように推進するか
おそらく、マイクロソフト以外にMCEを正しく実装しているところはないだろう。今後、
MS Office 2010の文書が流布するにつれて、MCEを正しく実装していないものは
すべてクラッシュすることになるかも知れない。どうやればMCEの実装を推進でき
るのか、マイクロソフトはアドバイスを求めていた。
実装ノート
マイクロソフトは、ODF 1.1の各節に対し、それをどのように実装したかというノート
を公開している(DIIのページのReferenceボタンを押してODFを選ぶとMSIEなら
きちんと出る)。このようなノートの形式は標準化すべきだろうか?そして、
ノートを提出することを適合性の条件とすべきだろうか?
拡張部分に関するODFとの共通化
今後の拡張部分についてだけでも、出来るだけODFと共通化すべき
だろうか?簡単に出来るのならだれも反対しないだろうが、いろいろ
無理は出てくる可能性が高い。本体が違う以上、無理に合わせても
仕方がないのだろうか?
テスト
相互運用性を保証するためのテストデータやプロファィルを作るべき
だろうか?
投稿者: 村田 真 / 日時: 2009.09.27
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.xmlmaster.org/mta/mt-tb.cgi/105
関連情報
<< 前回の記事:「Microsoft Office 2010におけるOOXMLの拡張」
>> 次の記事:「SC34専門委員会ad-hoc会議」